北海道札幌市南区の地名.
藻岩山から硬石山にかけての四号の沢・五号の沢・八号の沢・石山本通を含む地域が八垂別と言われた.豊平川にあったパンケ・ハッタル[川下の淵]とペンケ・ハッタル[川上の淵]に注ぐ2つの川が地名の起源とされる[山田秀三『札幌のアイヌ地名を尋ねて』].つまり,ハッタラペツ[淵の川]に起源を持つ.
1872[明治5]年に開拓使によって「発足別」・「発垂別」の字を当てられた.その後,「八垂別」となった.
八垂別は支給地の開墾を終えた山鼻屯田兵に追加で与えられた追給地として開拓された.この経緯から山鼻村に含まれた.
1910[明治39]年に山鼻村と円山村が合併し藻岩村となった際も,1938[昭和13]年に藻岩村が円山町となった際も八垂別の地名は残された.
しかし,1941[昭和16]年に円山町が札幌市に編入されると,八垂別は藻岩山・川沿町・北ノ沢・中ノ沢・南沢・砥石山・硬石山へと再編された.八垂別の中心部は川沿町となり八垂別という地名は「八垂別の滝」などに残すのみとなった.
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