新潟市西区の地名.
「いがらし」ではなく,「いからし」.
弥彦山塊の北端である長者原山こと角田山[Mt.Kakuda;標高481.7m]北麓,新川河口部に位置.
かつての五十嵐浜村の一部.地名は下田郷の式内社伊加良志神社に祀られている五十日足彦命[いかたらしひこ-のみこと]に由来.そもそも,「いからし」というのは「眺める・いつもする・処」を意味する「インカルㇱペ[inkar-ush-pe]」に由来するとも言われる.
五十嵐浜に並行する砂丘列の高まりを「インカルㇱペ[inkar-ush-pe]」と呼んだものだろうか.
この説は金田一京助『北奥地名考』に記されている.北海道で「インカルㇱ」は平野もしくは海に突き出した山を意味することが多い[参照:藻岩山].新潟の五十嵐の「インカルㇱ」は五十嵐三の町辺りか,もしくは角田山だろうか.角田山とすると少し離れている気がする.
五十嵐が本当に「インカルㇱ」であるのか.奈良時代に現在の新潟市街地のすぐ東に蝦夷に備えるための渟足の柵が置かれていたことをも加味して考える必要がありそうだ.
©OpenStreetMap,N.T.
posted by N.T.Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.