東洞院通四条下ル綾小路までの両側町は,かつて悪王子社が鎮座した地.
悪王子というのは疫病神である八王子を代表する神.八王子は疫神である牛頭天王と南海の沙羯羅[Sāgara]竜宮に住む頗梨采女との間に生まれた神々.
天延2[974]年,四条東洞院南の方一町の東洞院大路・烏丸小路・高辻小路・四条大路に囲まれた広大な私宅をもつ秦助正が祇園社の御旅所悪王子社を建立せよという神託が降りた.当時は疱瘡が大流行しており,円融天皇も同様の夢を見たという.
このようにして建立されたのが悪王子社.
悪王子社の西側には,白河上皇離宮である小六条院[北院]があり,鳥羽・崇徳・近衛の三天皇御所でもあった.
悪王子社は,天正18[1598]年,豊臣秀吉の命によって,烏丸通五条上ル万寿寺に移転した.
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