入沢城

長野県佐久市入沢の城.麓の吉祥寺を挟んだ尾根には十二山城がある他,谷川の対岸にある水石城・磯部城を支城として抱える.三條神社の裏手から主郭に向けて竪堀が掘られている.また,尾根と曲輪との間を何本もの堀切で遮断し防御としている.

吉祥寺は居館であったとも考えられ,月夜平と呼ばれる地は北麓の北屋敷と呼ばれる地とともに諸将が屋敷を営んでいたであろう.

『守矢文書』の嘉暦4[1329]年の条に入沢地頭という名がある.塩田前山寺の鰐口から,天文7[1538]年には城主は入沢氏から大井氏に替わっていたことが分かる.その後,武田信虎[1494-1574]の命を受けた板垣信方[1489-1548]が臼田城・入沢城を攻め落とし,水石和泉守が城将として据えられた.