桜城

長野県諏訪郡下諏訪町小湯の上にある城.

来迎寺の北にある尾根にあり,諏訪大社下社秋宮から登ることができる.下社大祝の金刺氏が築城したと伝わる.金刺氏は阿蘇大宮司・阿蘇氏と同族の科野国造家から出た金刺宮舎人麻背を祖とする.上社大祝・諏訪氏や上泉氏・手塚氏は金刺氏から分かれた.一族では木曽義仲に従った手塚太郎光盛が知られる.

応永7[1400]年に,室町幕府の権力を背景として信濃国守護・小笠原氏が支配を強化しようとすると,村上氏ら北信濃国人衆が叛旗を翻す[大塔合戦].この大塔合戦で下社の金刺氏は信濃国守護・小笠原氏側に,上社の諏訪氏は北信濃国人衆側に与した.これを契機として,上社と下社の抗争は続き,やがて上社の諏訪氏が下社の金刺氏を圧倒するようになっていく.

金刺氏の本城であった桜城は,永正15[1518]年に金刺昌春が諏訪頼満に敗れて甲斐へと亡命した後は,下社五官筆頭であった武居氏が支配した.


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