宮城県東松島市小野裏丁にある城.小野城は桜ヶ森館とも呼ばれ,梅ヶ森館とセットになっている.
文治5[1189]年に,源頼朝より長江太郎義景が深谷庄の地頭に任ぜられ小野城を築城したという.長柄太郎義景は鎌倉党に属する武士であり,三浦党との姻戚関係にあったため,源頼朝の挙兵時には三浦氏の衣笠城に籠城し平家軍を迎え撃っている.
長柄義景以降,小野城は深谷長江氏の本拠地とされ長江播磨守景勝入道月鑑の代まで続く.
天正16[1588]年,長江景勝は伊達政宗と対立.秋保氏によって討ち取られた.
ここに永江氏は滅び,伊達政宗は富田主計に小野城を与え支配.
小野城は,天正19[1591]年の須江山の惨劇の舞台.天正18[1590]年,小田原征伐で参陣しなかった大崎義隆・葛西晴信は豊臣秀吉によって領地を没収された.そして,旧大崎・葛西領13郡30万石は豊臣秀吉の側近である木村吉清に与えられた.折角,自らの武力で切り取っていた領地を奪われる形となった伊達政宗は策動を持って大崎・葛西一揆を煽動.しかし,情勢が変わることなく,伊達政宗は豊臣秀吉により大崎・葛西一揆の鎮圧を命じられる.
自らの関与が明らかになることを恐れた伊達政宗は,大崎・葛西一揆の物頭衆を小野城に招いて所領安堵を伝え饗応.墨付状を与えるので糠塚館に再度集まるように指示.糠塚館に集まった,100名とも300名とも言われる大崎・葛西一揆の物頭衆を泉田重光によって殲滅させた.
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