杉本寺の近くにある,二階堂川に架かる歌の橋は鎌倉十橋の一つ.
車がひっきりなしに通るとはいっても,一歩路地を入れば静かな趣き.
泉親衡の乱に与して死刑になるはずだった渋川刑部兼守が和歌十首を詠んだ事で源実朝に許された.そのお礼として二階堂川に架けた橋と言われている.二階堂川はやがて滑川へと合流する.
この渋川一族は上野国渋川郷を本拠地とする在庁官人系の一族と考えられている.渋河五郎兼保が源頼朝に仕え御家人となっている.比企の乱では比企方に与して渋川兼忠は討ち死に.その子の兼守は泉親衡の乱では命を救われたが,和田義盛の乱で再び北条得宗家に弓を引き滅亡した.
足利泰氏[1216-1270]の次子の兼氏が,渋川氏が滅亡し欠所となっていた上野国渋川郷を領し,渋川義顕として源姓渋川氏を興している.
posted by N.T.Vita brevis, ars longa. Omnia vincit Amor.
