ティツィアーノ
16世紀ルネサンスのヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノ(Tiziano Vecellio;1488-1567)はジョルジョーネを引き継ぐ形で自分の絵を発展させていった。そもそも、ジョルジョーネと仲の良かったベッリーニ(1433-1516)の工房で働いていた関係もあって、ティツィアーノは生涯ジョルジョーネを師と仰いでいた。ジョルジョーネの代表作とされる『田園の合奏』、『眠れるヴィーナス』といった未完成作品に手を入れたのも彼。ヴェネツィアのミケランジェロやラファエロが素描で知られるとすると、ヴェネツィアのティツィアーノは色彩という面でルーベンス、ベラスケス、レンブラントそしてドラクロワへも影響を後々まで及ぼした。絵は『洗面室の女性』。