『オレンジを持つパロマ』
「(ピカソの『アビニョンの娘たち』とアインシュタインの相対性理論の)二つの創造は美学上の共通項によって支えられている。それは対称性に対する審美眼だ。アインシュタインは当時の電磁気の理論が観測する人の視点によって異なる二つの説明を与える非対称性にいらだちを感じ、観測者の視点によらない普遍的な原理を考えた。一方、私たちが生きている現実の世界では厳密な対称性が崩れており、ピカソはその非対称性を極めて魅力的に表現したといえる」2006.9.17付日経新聞に紹介されているロンドン大学アーサー・ミラー名誉教授の言葉。藝術を科学するというアプローチはある。そうではなくて、藝術と科学を対等に橋渡しする。いや、そんなに大袈裟に構えなくても、アートとサイエンスを同じように楽しむなんてことが出来そう。ピカソの「オレンジを持つパロマ(1951)」。