グイド・レーニ
RENI, Guido(b. 1575, Calvenzano, d. 1642, Bologna)。
神話を主題とした絵画で知られるイタリアのボローニャ派の画家。
9歳から絵を学び始め、20歳の時に17世紀ボローニャ派の巨匠アンニバーレ・カラッチ(Annibale Carracci[1560-1609])のアカデミーに入門。
1600年頃のローマへの絵画修行の折りに、古代および最新のローマ美術に触れて、それらを自分の絵画における理想とした。
ラファエロを崇敬したけれども、実際にはカラヴァッジョの自然主義に影響されたことが『聖ペテロの磔刑(The Crucifixion of St Peter)』(the Vatican Gallery [1604])における明暗法(chiaroscuro)の使用方法に表れている。
その後も故郷のボローニャと絵画の範を見出したローマとの間を往復するという生活をし、カラッチの死後(1609)は古典派のリーダーとなっていく。
古典主義に忠実であり、生涯にわたってラファエロを模範とした彼の絵画は18世紀には持て囃されたが、19世紀にはその古典主義故にかつての賞賛を浴びるということはなかった。