「ここで和田一族が討死したのね。
和田一族を率いた和田義盛(1147[久安３]-1213[建保１])は鎌倉御家人の中核を担った坂東八平氏の一つ三浦氏の三浦大介義明の孫で三浦義宗の子」

「三浦郡の和田に本拠地をもっていたので和田と名乗ったわけだよね。
彼は源 頼朝の挙兵の時に三浦義澄とともに頼朝のもとに馳せ参じ、その功績によって侍所別当に任命されている」

「一の谷や壇ノ浦の戦いでも戦功を挙げているしね。
名実ともに鎌倉御家人の名門。
加えて、源 頼朝からの信頼も厚く、頼朝から頼家の後見を頼まれたりしている」

「そこ、そこなんだよね。問題は。
そういうのって北条氏にとっては宜しくないわけでしょ。
そこで、北条義時は源 頼家の死後に、和田氏に頼家の遺児を担ぐ陰謀ありっていうんで、和田胤長を逮捕してしまうんだよね」

「もう、そうなっては和田義盛も黙ってはいられない。いわば追い詰められた形で挙兵するのね。
和田義盛側には多くの御家人達が加わったけれど、こともあろうか一族の三浦義村に裏切られて一族滅亡となってしまったのよね」

「この地でね」