青岸渡寺
天台宗、那智山青岸渡寺。
仁徳帝の代に裸形上人の開基と歴史は古い。現在でも西国33ヵ所の一番札所として多くの参詣者を集める。かつては、役行者、最澄、そして空海も足を運んだ。役行者の名でわかるように、隣地の熊野大社と同様に神仏習合の場として全国に知られた。熊野の山中にあるということで境内は広くはないが、一時は7寺37坊という威容を誇ったという。往時の面影は豊臣秀吉が天正15(1587)年再建の本堂に見ることが出来る。その古寺も明治の廃仏毀釈運動に抗すること叶わず、衰微を余儀なくされる。しかし、明治7年に再興され天台寺院として甦った。なお、三重塔は昭和47年の建立。
[重要文化財]宝篋印塔、銅造如来立像、銅造観音菩薩立像2躯、金銅大日如来坐像、金銅肉薄阿如来坐像、金銅肉薄宝生如来坐像、金銅肉薄不空成就如来坐像、金銅肉薄金剛宝菩薩坐像
[交通]紀勢本線紀伊勝浦駅あるいは那智駅から那智山行きのバスで30分ほど。