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6月26日(水曜日)旧暦5月16日、乙丑、友引、八白土星、朝から雨 「あれ、石橋君は?」 「JF社の株主総会にいってもらっている」 「今年は、いろいろと株主から経営陣への注文が多そうだね。3年後にはROEを10%にします、って宣言したところもあるみたいだよ。経営陣も大変だよね、守れなかったら経営責任が問われることになるから」 「だって、経営のプロでしょ。プロは結果で勝負よ」 「サッカーのようにね。昨日の韓国とドイツの試合も良かった。それは少しおいておいて、 そもそも、実質的所有者たる株主が会社の経営権を有するはずである。とはいえ、株主は経営の能力も意思もないのが通常である。そうであるならば、経営のプロである取締役に経営を任せるのが合理的である、か」 「そう。株式会社制度は所有と経営の分離による合理的経営を目指している制度だからね」 「その辺りは商法が取締役の資格条件を『株主であること』と定めることができない( 254条2項)としていることにも表れているよね」 [出来事] ■東京地裁で『オウム事件』の新実被告(38)に死刑判決。 ■1968年6月26日 小笠原諸島返還 ■1993年6月26日 雲仙・普賢岳で大規模な火砕流発生 ■1996年6月26日 民事訴訟法公布 6月25日(火曜日) 旧暦5月15日、甲子、先勝 [石橋君] 「あの高梨先生が、社会科の教材に使うからといって、3丁目の印刷屋の加治川義介さんに1万円札の印刷を頼んだということで警察の事情聴取を受けているそうです。加治川さんのところ、ここのところ仕事がないって苦しかったみたいだけど。まさか、お札を刷るなんて。でも、あそこの印刷機すごいんですよ。もちろん、義介さんの腕も凄いわけで、そうすると、お札を印刷すると本物と見分けがつかないこと請け合いですよ。そういえば、この前、義介さんのところの娘さんと会ったんですけど、妙に一杯買い物をしていたなぁ。おじいちゃんが上田にいるとかで遊びにいくとも言っていたし、何か関係あったのかなぁ」 「何をぶつぶつ言っているの?」 「警察に連れて行かれたって、事情聴取でしょ。その義介さんとかいう人は偽造通貨を作っているけど行使の目的がないよね。だから、何らの罪責を負わないよ( 148条 1 項参照。)」 「問題は高梨先生とかいう、小学校の先生なの?その先生でしょ。義介さんに行使の目的をもって偽造通貨を作らせたというその先生には何らかの犯罪が成立しないのかっていうことよね」 「つまり、その高梨先生の利用行為に正犯性があるかってことだね」 「実行行為というのは、当該構成要件が予定する結果発生の危険を有する行為ってことよね」 「通常、実行行為は行為者自らの手で行われるけどいわゆる道具などの助けを借りている場合が少なくないね。とすると、他人を自己の意のままに使い、その動作や行為を自己の犯罪に利用する場合には、自らその実行行為をしたと同一に考えることができるわけだ」 「このような利用者は間接正犯として処罰できると考えられるわね」 「ここで、目的がない者というは、犯罪事実を認識していないから、違法性の意識を喚起する可能性はないよね。それなら、目的がない者は被利用者たりえる。つまりは、利用者の行為支配性は認められるわけだ」 「というわけで、高梨先生の場合も間接正犯が成立する。つまり、通貨偽造罪の罪責を負うことになるわね」 [石橋君] 「あのぉ、義介さんは大丈夫ですよねぇ」 「君が心配なのは娘さんのほうだろ。あっ、『瀬戸内訴訟(ハンセン病国家賠償請求訴訟)』で、既に死亡した元患者の遺族と、療養所に入所経験のない元患者さんたちが、岡山地裁に国を相手取り、計13億2880万6000円の損害賠償を求めてに提訴したらしいよ」 6月24日(月曜日)旧暦5月14日 九紫、赤口 「株主総会の週だわ」 「ある会社では株主代表訴訟を準備している株主もあるようだし(『特種製紙賠償事件』)、この時期はいろいろと動きがあるね」 「景気が上向きのときとか、期待が持てるときはいいのでしょうけれど。今の時勢では取締役と株主の利害対立が表面化するのでしょうね」 [参考:最近の株主代表訴訟] [大阪高裁平成13.12.10] 大和銀行の株主代表訴訟、和解成立。 [東京地裁平14.1.15] 三菱商事の代表訴訟が提起される。 [大阪地裁平14.1.30] ロイヤルホテル代表訴訟棄却判決。 [神戸地裁平14.4.5] 神戸製鋼所の代表訴訟で和解成立。 [東京高裁平14.3.27] 日本新都市開発代表訴訟控訴審判決。 [最判平14.5.31] 朝日新聞代表訴訟上告棄却判決。 [東京高裁平14.4.25] 三菱石油代表訴訟控訴審判決。 [大阪高裁平14.4.11] 住友生命保険社員代表訴訟控訴棄却判決。 [大阪地裁平14.3.13] 住友信託銀行代表訴訟棄却判決。 6月23日(日曜日)旧暦5月13日 八白、大安 「今日は沖縄慰霊の日。沖縄戦では20万人もの尊い命が失われ、丁度この日に旧日本軍の組織的抵抗が終わった。つい先日、戦争遺跡である旧大和基地を尋ねたけど、日本の敗戦から半世紀が経過して、その記憶が当時の物理的証拠とともに消え去っていっている気がしてならない」 「そうね。子供の頃まで家の近くに防空壕があったけど、それももうない」 「物理的なものが残っている間は記憶が喚起されるからね。それもなくなると当事者だけの記憶になってしまう。使い古された言い方だけど、過ちは繰り返さないようにしなくては」 「繰り返してはいけない過ちに大小はないことは確かね。 今日の主だった事件としては、宇都宮南署が通貨偽造・同行使罪で公判中の峰和之(45)、山口克美(55)両容疑者を首都高速回数券を偽造したとして有価証券偽造の容疑で逮捕したということと、『岡山主婦失踪事件』で津山署捜査本部が防犯カメラの女性(33)の逮捕状をとったことかしら。」 「事件が早く解決されることを願うよ」 「それと、地震が気になるわね。昨日から浅間山で火山性地震が増加し入山禁止になったって。神社へも行けないのかしら。昨日はイラン・ガズビン州のマグニチュード6.3の地震があったっていうし地震が多いわ」 6月22日(土曜日)旧暦5月12日 七赤、仏滅 「いらっしゃいませ」 「もう閉店時間じゃなかった?」 「今日はもう少し開けておきますので、どうぞ皆さんで御くつろぎ下さい」 「有難う。やっぱり温泉はいいねぇ。榛名は近場だしね。伊香保もいいけど、あそこは穴場かな」 「途中、道に迷わなかったら、なお良かったわね」 「榛名山イコール榛名と思うでしょ。イコール伊香保じゃなくてね。まぁ、途中のルートの違いだね。結局、どっちの町の中心部を先に抜けるのかだったんだから」 「まぁ、それはそうだけどね」 「それと、泊まれたら、もっとよかったんだけどね。温泉三昧で『利家とまつ』を見れたのになぁ。ところで、加賀百万石とかいうでしょ。あの百万石ってどのくらいなのかな。年間売上高5兆円とか7千億円とかいうと分かりやすいんだけど」 「そうね。単純な比較は難しいわ。だけど、江戸の初めくらいで、大体1両が10万円、えーとこれは中ごろだと4万円くらいって言われてる。で一石が一両でしょ。後は計算してみて。ちなみに、銀15貫は金250両だわ」 「1両10万と最大限に見積もって1万石が10億円でしょ、ということは百万石で1000億円?」 「だから、単純な比較はできないの」 6月21日(金曜日)旧暦5月11日、庚申、先負、六白金星 「今日は夏至だね。日が長くなったことを実感するよ。なんといったって、6時半になっても外が明るいというのはいいね。何せ、あちこちへ出かける時間が出来るということで非常に嬉しいよ」 「買い物の趣味ってあったんだっけ?」 「違うよ。街角探訪ってやつ。少しくらい暗くてもあちこちにはいけるけど、初めて訪れるところで狭い路地をうろうろとしていると何かと間違われてしまうからね」 「そうね。君は無用な誤解を招きそうだもね」 「それってちょっと酷くないか?まぁ、それは置いておいて、昨日は、鈴木宗男衆議院議員(54,元北海道開発庁長官)が斡旋収賄容疑で逮捕されたけれども、東京地検特捜部は政策秘書も共犯で立件するってね」 「1898年の今日は民法施行法が公布され、日本が近代法制度を整えた日にあたるっていうのにね。鈴木議員は最後まで不逮捕特権の意義を強調していたみたい」 「景気も良くないね。景気判断は上方修正されたものの、今日経産省が発表した4月の第3次産業活動指数(1995年=100、季節調整済、速報値)は前月比1.5%低下の105.8となり、2カ月ぶりに再び低下だしね」 6月20日(木曜日) 旧暦5月10日 己未、友引、五黄土星 「お帰りなさい。どうだった」 「昼から東京北多摩は東大和市にある旧大和基地の戦争遺跡に寄って来たよ。公園があってね、その中に建物が保存されているんだ。この建物には残念ながら入ることも触れることも出来ない。だけど、少し離れたところからも、この建物が第二次世界大戦という時代を経験してきた生き証人であることは、無数にある機銃掃射や爆撃の傷跡から見て取れるんだ。 このような貴重な建物を取り壊すことなく保存してくれた企業や周辺住民、自治体に感謝したいね」 「第二次世界大戦といえば、1900年の今日は『義和団の乱』が勃発した日よ」 「いつもながら年号に詳しいね」 「それって褒めてるの? その話は置いておいて、1997年の『秋田県田沢湖町ダム湖殺人事件(秋田市主婦山崎恵子さん(当時49歳)が橋から投げ落とされ殺害)』で殺人容疑で全国指名手配の主犯格徳原晃容疑者(36)を千葉県内で逮捕したと発表[20日秋田県警本部]したわ」 「共犯の男2人は嘱託殺人罪で公判中の事件だね。それから、昨年6月に当時21歳の明治大3年高橋純也さんが現金を奪われたうえにバットで殴られて殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われた少年3人に対して、千葉地裁は犯行時17歳だった2人を含め3人全員に求刑通り無期懲役を言い渡しているね[20日千葉地裁]」 「ある意味で画期的よね。少年法が改正されて無期懲役が相当でも犯行時18歳未満だと有期刑しか科せなかったのが無期刑も科せるようになって(2001年4月以降)初めてでしょ。最高裁によると、18歳未満への無期判決は1989年以降では同年に一度あっただけだって」 「横浜地裁横須賀支部[20日]では1996年4月の神奈川県横須賀市の『市立市民病院誤診事件(建設作業員の男性[当時63歳]が植物状態となる)』で家族らが同市を相手取って約9,700万円の損害賠償を求めた訴訟の和解が成立したそうだね。横須賀市が原告側に5,500万円を支払うようだ」 「そうそう、6月下旬のこの時期は株主総会の集中する時期でしょ。警視庁の発表[20日]だと、株主総会集中日(27日)に全国で総会の開催を予定している上場・店頭公開企業は昨年より約90社減の約2010社となるって」 |