法相宗

誰でも悟りを開き仏になることが出来る素質(仏性)があるという悉有仏性という考え方を批判する立場。法相宗は全ての人には5種類の能力の違いがあるという五性格別という考え方を採った。その5つとは、仏の教えを聞いて悟ることが出来る声聞定性、仏の教えに拠らなくても自分で悟りを開くことの出来る縁覚定性、全ての人を救うことが出来る菩薩定性、どれになるか定まっていない不定性、どれにもなれない無種性である。この立場は天台の理想主義、平等主義に対して、現実主義、多様主義とされる。

唐の玄奘を始祖とし、弟子の窺基が宗派を形成。日本へは元興寺の道昭が伝えた。
大乗・唯識派の流れを汲み「成唯識論」を教義の中心に据える。
中心となったのは薬師寺、興福寺。日本では最澄と徳一が天台の理想主義と法相の現実主義の鋭い対立論争を行った。

2007年4月30日(月) 改稿


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