常寂光院
野ノ宮社を後にし山陰本線の線路を越えると例の竹林がある。この辺りでは観光用の人力車に出くわすことがしばしば。乗っているお客が着物姿などだと雰囲気は一気に絵巻物の世界となる。
如何にも郊外らしい畑の横を通り落柿舎を畑の向こうに見ながら進むと常寂光寺が妖しく誘う。紅葉の季節には眩いばかり。
入り口の門から仁王門に至る道はさながら紅葉のアーチと化す。全体としてこじんまりとした趣をなしているが、これがまた風情を増すのに一役買っている。
常寂光という名は、豊臣秀吉の東山大仏の開眼千僧供養への出仕を拒否した日禎が隠居の地として定め、小倉山にあるこの地が常寂光土の感ありとしたことによるとされている。